静岡県と言えば皆さんは何を思い浮かべるでしょうか?
雪を被った富士山、お茶、みかん、停まらない新幹線のぞみ号など…
色々なものがある静岡県ですが、「海」を思い浮かべた方も多いのではないでしょうか?
静岡県は太平洋に面した東海地方にあり、海岸線の長さ(総延長)は約518㎞。
なかなか長い!と思いきや、ここ日本は海に囲まれた島国。上には上がたくさんおり、47都道府県ランキングだと26位。残念ながら中の下でした。
その割に海の印象が強いのはなぜでしょう?
あくまで一個人の考察ではありますが、
・利用者の多い東海道新幹線や東名高速が東西を貫き、その間かなりの場面で海が視界に入ってくること
・カツオ、マグロの水揚げで有名な漁港があること
・関東からアクセスしやすく観光に適した沼津港や、沼津の名を冠した海鮮屋があること
などが理由かもしれません。
さて、そんな静岡県の「海」ですが、私たちが暮らす沼津市から見える海は「駿河湾」(するがわん)という名前の湾(陸地側に海が入り込んだ地形)です。
湾のでき方には様々な種類があるのですが、静岡の場合は本州に、はるか南数百kmの地点で生まれた火山島(現代の伊豆半島)が移動してきて衝突・合体した際にできたとされています。
この大移動はプレートのはたらきによって起きました。
プレートというのは地球の表面を覆っているおおきな岩盤で、私たちが今住んでいる陸地や海の小島などもその上に乗っています。
プレートが動けば上のものも一緒に移動します。
駿河湾の奥底にはプレートが3枚も集まっている場所があり、ここでは太平洋側の「フィリピン海プレート」が底へ底へと沈み込んでいます。
沼津市に住んでいて、沈んできてるなーという感覚は全くありませんが、静岡県で地震が多いのはこの沈み込みがある為だったりします。
伊豆半島を運び、駿河湾をうみだしたこのはたらきはいまでも続いています。
そしてこのはたらきによって、駿河湾は強烈な深さを持つ湾となりました。
勾配も非常に急で、海岸から2㎞で水深500mに達する場所もある駿河湾。
最深部はどのくらい深いのかというと、なんと約2500m。
日本一深い湾です。
県内には日本一の高さの富士山(標高3776m)がありますから、静岡県は6000m以上という日本一高低差のある県なのです。
日本一深い湾である駿河湾には種類の異なる海洋深層水があったり、富士山の雪解け水が陸上の養分を運び込む河川だけでなく海底にも湧き水となって注ぐなど、恵まれた環境があります。
そのおかげで豊かな生態系が育まれており、日本に生息する魚類の4割以上の種類の魚やたくさんの深海魚、日本ではここにしか生息しないサクラエビ、世界一大きなカニのタカアシガニなど多種多様な生き物を見ることができます。
私たちもまた、そうした魚介類を獲り、駿河湾に支えられて生きています。
食の面だけでなく、駿河湾を取り巻く様々な地域で祭が行われたり、絵画に描かれるなど、様々な文化・暮らしにも影響を受けてきました。
静岡に住んでいないし、あまり関わりないよと思う方も、もしかしたら次に食べるお魚や魚介製品が駿河湾で獲られて水揚げされた魚かもしれません。
その時はぜひあなたの食卓にあがるまでのストーリーに思いを馳せていただき、機会があれば命と私たちの食や文化を育む駿河湾を見に静岡県を訪れてみてください。
参考
静岡県公式HP
国土交通省「海岸統計 平成28年度版」